相性

人に相性があるように、仕立にも あります。

仕立の良し悪しは、正しい寸法 と 美しい仕上がり のみならず
如何に お客さんの お好みに応えられるか、にあります。
(私は、この事が本来 最優先だと思っています)

私の場合、国家検定2級 と 指導員免許 を持ちます。
全国各県より選ばれた100人で競う 大会に出場しています。

しかしながら、これらの事柄は「一般的に分りやすい、一定の基準」でしかありません。

寸法通りに仕立てられているのに、何故だか着難いことってあります。

お客さんの体と、着物の仕立具合の反りが 合っていないのですね。

着物は 巻き付けて着ますが、やっぱり 体は曲線なので、洋服のようには行きません。
したがって、直線もカーブを付けたり、弛みを入れたり、攣らせたり。
体に沿う様に 仕立ます。

着付け方も 重要で、衣紋を抜くのか ゆったりめに衿を開けるのか 詰めるのか。

男物は、女物 以上に着付け方の お好みが重要になります。
(着流した姿を見せて頂くと、助かります)

ある時、お召風の反物で単衣を仕立、しくじりました。

硬さのある生地は、特に 立ったり座ったりで短くなります。
しかも 長めに着付けられる方でしたので、一般的寸法では もとより短かったのです。
揚(身頃の途中でつまんで縫い込まれている所)を全部下ろして、OKとなりました。


先日、お直しした道中着。

実に、三度目の正直。
ご近所と言う事もあり、寸法直しに ご足労を頂きました。

着物の上から羽織って頂き 裄寸法は 合っているのに、振が出る。
衿と衿明の分が肩巾に譲っている事がわかり、
肩巾を詰め、更に 身頃が広過ぎるので 身巾を詰めたら 袖口が出る。

袖巾を広げて、一件落着♪

ようよう お渡し出来ました、とさ。
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by 555nao-ya | 2008-11-02 22:42 | ちくちくお針教室にて | Trackback | Comments(4)
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Commented by a petits pas at 2008-11-03 10:37 x
そうそう、相性、ありますよね。
できた~って思って、直しってなった時、
一瞬「ちっ」ってなりそうになります。
で、何度も何度もやり直す時ってのがあって、
心が折れそうになります。
相性のいい方やものとばかり付き合ってると、
免疫力の低下に繋がるように思えます。
苦手なものや相性の悪さも味あわなくてはいけないんでしょうね。
Commented by rui-studio at 2008-11-03 23:03
nao-yaさん こんばんは、個展の時はありがとうございました。やっといつもの生活に戻りつつあります。

「お客様好みに応える」っていうことが仕立ての仕事の一番大切な
ことなんですね。私の手織はまず自分をどこまで高められるか自分のとの勝負で、その勢いや温度、香り、温もりを気に行ってもらえる人にめぐりあえるかということになります。
「色が好き」と言っていただけることがまず第一段階ですが、
自分をさらしてしまうことが着物の仕立てと違うところでしょうか。
同じ布、糸を使う仕事でも随分違いますね。
Commented by 555nao-ya at 2008-11-03 23:39
★a petits pasさま

>相性のいい方やものとばかり付き合ってると、
免疫力の低下に繋がるように思えます。

ですね~。 
今日は一日ジュリー三昧(ラヂオ)なのですが、彼も同じような事を仰っていました。
挫折やしくじりも必要だと。 失敗に挫けず 向かっていったから今があると。





Commented by 555nao-ya at 2008-11-03 23:50
★rui-studioさま

>自分をさらしてしまうことが着物の仕立てと違うところでしょうか。

ですね~。
「作品」となると、
例えば 着物作家(染とか織りとか)なら、自身の分身ですから
自分の思い通りの色や柄を追及しますよね。

仕立の場合は、言ってしまえば「通過点」でしかありません。
作品ではないので、着る方に至る過程です。
洋服のデザインと違い、形・型が決まっているので、更にその様相を呈します。
ただ、同じ形でも、個人差があるので仕立て方が違ってくる、となります。
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